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中国都市ランキング
ニュースレター #47

Dec. 15. 2022

 このニュースレターは、東京経済大学の周牧之教授とお付き合いのある皆様、また関連のシンポジウムやセミナーなどイベントにご参加いただいた皆様を中心に、〈中国都市総合発展指標〉に関連する最新の研究成果や議論をお届けいたします。随時の配信となります。どうぞご高覧ください。


【論文】二酸化炭素:急増する中国とピークアウトした日米欧

 
 エジプトのシャルム・エル・シェイクで、2022年11月6日から11月20日まで開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)は、閉会予定を48時間も超過する長丁場の交渉を行った。交渉の焦点は、二酸化炭素(CO2)排出量の責任問題であった。とくに累積排出量でトップのアメリカと、現在の排出量でトップの中国の存在が目立った。CO2をはじめとする温室効果ガスは、長期にわたって残存する。そのため、気候変動の責任について考える際は、歴史をさかのぼって累積の排出量を考慮しなくてはならない。

 CO2の累積排出量ではアメリカが群を抜く最大の排出国であり、EU及びイギリスと合わせれば、全排出量の46%を占める。欧米は化石燃料をエネルギーとして数世紀にわたり経済成長を謳歌してきた。他方、中国を始めとする途上国は、急速な経済成長を実現し、CO2の排出を急拡大している。こうした複雑な構図は、CO2削減における国際的な議論と合意を困難にしている。

 本論はこうした地球規模のCO2排出構図を、産業革命以来のデータを用いて解明する…

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太原市:資源都市となった古き交易都市【中国中心都市&都市圏発展指数2020】

 

 太原市は、中国の重要なエネルギー・重工業基地である山西省の省都である。別名「晋陽」とも呼ばれ、九つの王朝の都として二千年以上の歴史を持つ国家歴史文化都市である。2021年現在、6区、3県、1県級市を管轄し、総面積は6,988平方キロメートル(高知県と同程度)、GDPは約5,122億元(約10.2兆円、1元=20円換算)で中国の都市の中で56位となっている。常住人口は約540万人で全国では80位である。

 同市は、北は万里の長城を挟んで内モンゴル自治区に、東は北京の西側に位置する河北省と、南は黄河を挟んで河南省と、西は北上した黄河を挟んで陝西省に接している。そのような立地から、同市は古来より、遊牧民族と農耕民族の交易都市として栄えてきた…

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